妊娠中にはいろいろな体の気がかりがありますが、足に関わる悩みで最も多く聞かれるのが「足のむくみ」です。
足のむくみが起こる原因は、血液やリンパ液がうまく循環していないことです。
特に妊娠中は、女性ホルモンの影響で体内の水分が多くなるなどの理由から、妊娠していない時に比べてむくみが起きやすいと言われています。
歩き方が間違っていると足がむくみやすい
血液やリンパ液が循環しにくい背景の一つに、歩き方の間違いが挙げられます。
人間の体は、歩くことで血液やリンパ液(以下“体液”とまとめます)の循環を助ける仕組みをもっています。
歩くたびに足首を曲げ伸ばしすることで、ふくらはぎの筋肉が弛緩と収縮を繰り返し、下半身の体液を心臓の方へ押し戻します。
言わばポンプのような役割です。
ところが、足首を曲げ伸ばしせずに歩いていると、ふくらはぎの筋肉がうまく動きません。
すると、体液の流れが滞って、足に水分が溜まり、むくんでしまうのです。
妊娠中、お腹を気にして足裏をペタペタとついた歩き方をする方も多いと思います。
しかし、このような歩き方は足首を曲げ伸ばししないので、ふくらはぎのポンプ機能が働かず、循環が滞ってしまいます。
むくみを防ぐためには「立ち方」から
ふくらはぎの筋肉がポンプの役割を果たす歩き方をするためには、まず立ち方が重要です。
次の手順で立ち方を整えてください。
(1)足の中指がまっすぐ前に向くように立つ
(2)立った時の重心の位置を、足裏の内くるぶしと外くるぶしを結んだ真ん中に意識する
※この位置を「バランスポイント」と覚えてください
(3)バランスポイントの上に、骨盤、肩、耳が一直線に並ぶイメージで立つ
いかがですか?
足の上にうまく体重が乗ってバランスよく立て、余計な力がいらないことが感じられると思います。
ふくらはぎを使った歩き方でむくみを防ぐ
続いては、歩き方です。
次の4つのポイントを意識してください
(1)前に出す脚は、ひざを伸ばしてかかとから着地する
※このときも中指は進行方向を向く
(2)前に出した足のバランスポイントに乗る
(3)後ろの足のかかとをあげて足首を伸ばす
(4)後ろの脚の付け根を伸ばす
最初は難しく感じるかもしれませんが、ゆっくり丁寧に練習すると必ずできるようになります。
そして、この歩き方は、わざわざ外に出かけなくてもOK! 家の中でもできます。
まずは10歩からでいいので、タイミングを決めて練習してみてください。
私は、朝に起きて洗面所で手を洗った後に、鏡を見ながら立ち方を整え、10歩だけ意識して歩いています。
あとは、歩いている時に、時々思い出してやるだけ。だんだんと、普段の歩き方が変ってきますよ。
もちろん靴の選び方も大切に
この歩き方で外を歩くためには、靴が足の動きに自然についてくることが欠かせません。
靴の選び方については「正しい靴選びのポイント」の記事をを参考にされてください。
妊娠中は足の骨格がゆるみやすい時期でもあるので、この記事にあるポイントを満たした靴で、足を守り支えてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※参考書籍 『正しく歩けば不調が消える!1日300歩ウォーキング』(著:新保泰秀)
みやざき足育センター
成田あす香
http://ashiiku-miya.com/
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